怨念の系譜―河井継之助、山本五十六、そして田中角栄 |早坂 茂三
怨念の系譜―河井継之助、山本五十六、そして田中角栄早坂 茂三
集英社 刊
発売日 2003-11
価格:¥630(税込)
現在の日本と照らし合わせると・・・ 2005-10-30
田中角栄の秘書を23年間務めた早坂氏の執筆だけあって、3人の中で田中についての記述がもっともリアリティがあり興味深く読めた。ロッキード事件の汚名を晴らせぬまま他界した元総理の、政治的足跡と人となりがわかりやすく綴られている。とかく負の部分ばかりが強調されがちな田中の政治的功績がどのようなものであったか、そしてなぜ失脚したのか、客観的事実を淡々と積み重ねることで説得力ある内容となっている。現在の日本と、日本を取り巻く状況とを考え合わせながら読むと、田中亡き後、日本は大きな羅針盤を失ってしまったのではないかと思えてくる。「田中の四十年余にわたる政治生活の基本路線は『外に平和、内に福祉』である。諸外国と事を構えず、ひたすら日本の繁栄を追求した。」「・・・田中は、『おのれのみを正しいとして、他を容れざるは、民主政治家に非ず、もし一歩誤れば、戦時下における抑圧議会の再現を見る』と指摘し、国会議員の発言の重さを強調した。」現在の日本に目を向けると、ことごとくこの逆を進んでいるように思える。日本の今後を考える上で、広く読まれるべき書と思う。
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この記事は2006/9/22に作成しました。
